Q&A

 銀鈴会では、年に一度銀鈴会顧問でもある東京大学名誉教授 廣瀬肇先生や国際医療福祉大学教授 福田博之先生を招いて家族座談会を行っています。以下は食道発声に関するよくある質問です。


声がうまく出ません。早く出す良い方法はありますか?
先ずは、リラックスすることが肝要と思います。発声の上達は、スムーズな空気の取り入れに尽きます。指導員や先輩を観察して真似ることが良策です。
  上達を早くするためには毎日練習する以外にはありません。練習の成果を指導員に聞いてもらい、次の練習の助言を受け、練習→助言→練習の循環をすれば上達は疑いなしです。

いつまでも発声できないのですが、なぜでしょうか?
まず大切な事は、発声時において力まない事。もっと気楽にやりましょう。  基本である空気をしっかり入れて、腹圧をかけ「ゴックン」「あっ」、というタイミングを忘れないようにして下さい。
  上手な人の真似をして、指導員の助言をよく聞いて実行するようにして下さい。ELを検討されるのもいいと思います。
  食道発声は歌を歌うのと似ていることもありますのでこれも発声の練習に使って下さい。何しろ自分で会得しないと致し方ないものです。練習を続けていたら「ある日突然出来るようになった」と言う指導員もおります。ある日突然出ることもあるので、言われたことを素直に練習していただくしかないと思います。

入会して3ヶ月。さっぱり上達しないように思う。呼吸の仕方が上手くいかず、2音が少し出来るようになりましたが3音は無理のようです。
入会3ヶ月では随分と気が早いと思います。3音が出ないとのことですが2音出れば立派なものです。2音目の語尾を少し伸ばす様な練習をして3音につなげます。
   空気の取り込みをスムーズにする為には、同じ言葉の連続発声が良いと思います。2~3音程度を、「空気を入れる」「声を出す」の発声をきちんとリズムをとって何回も繰り返しているうちに呼吸と発声のタイミングを自然に体で覚え3音~5音も楽に出るようになると思います。

空腸移植をしています。空腸移植は食道発声が難しいと聞きますが大丈夫ですか?
近年、医療技術の進歩により空腸移植のような複雑な食道再建手術を受ける人の割合が大変増加しています。銀鈴会でも空腸移植のような食道再建者が入会者の約半数に達しています。しかし食道再建者は多少のハンディはありますが、食道発声は充分可能です。単純喉頭摘出者と比べても食道発声できる割合は遜色ありません。
空腸移植の人は、蠕動運動があり頻繁に空腸が動くことがあるので、そのときは収まるまで待つか、首や肩をまわしたりして暖かいお茶を飲んで「ア」、「ア」とやると声が出てきます。個人差が大きいので、焦らずに待つことだと思います。

声をなくした最初の段階では、ELの方が簡単にコミュニケーションが取れると思いますが、何故ELから始めて食道発声に進む人が少ないのでしょうか。 ELから食道発声は難しいのですか?
米国ではいきなりELから始め、その後で食道発声をすることが多く一向に構いません。でもELも簡単ではなく練習は必要です。ELに慣れると食道発声を始める時に空気の取り入れがなかなか難しいかもしれません。
ELは空気を入れないで出す。食道発声は空気を入れて話す。全く発声の仕方が逆です。従って、先にELをやると食道発声が空気を入れない癖がつき、難しくなる場合があります。食道発声にチャレンジするなら食道発声を先にやることを勧めています。
  そして、ある程度食道発声の基本が出来た時にELをやるのは問題ないと思います。ELをやった後に食道発声をやっている人で、食道発声をうまくやっている人もいますので、諦めないで挑戦してみて下さい。

ゲップやおならが多く出て困っています。何か対策がありますか?
われわれが食道発声をするときには、空気を食道に取り入れるので、どうしてもこれまでよりはゲップやおならが多くなることはある程度はやむを得ません。初心の時にはどうしても入れた空気を使いきれず食道に残ってしまい、それが、ゲップやおならになります。上達すれば必要な量になり残りは少なくなります。
ですから、初めのうちはそんなことは気にせずにしっかりと空気を入れて声を出すことに集中して下さい。

腹式呼吸のやり方がはっきり分かりませんので教えて下さい。
腹式呼吸とは主に横隔膜を使う事を言っております。肩で呼吸をすると、食道からの空気が一気に気管孔から空気が出てしまうので、主に腹圧で横隔膜を下から上に上げるようにして、ゆっくりと食道の空気を押し出しながら発声をして下さい。寝転んで上を向いて呼吸するときにはお腹を上下させる呼吸法を実感できます。
お腹を膨らませて、食道や気管孔に空気を入れます。お腹を一気に引っ込ませて食道発声をします。この繰り返しで練習すると上手になります。

この他、家族座談会では健康や生活に関する質問も多々あります。なかでも多いのがプロテクターに関する質問です。気管孔を守ってくれるプロテクターが不充分だと、肺炎、気管支炎になりやすいです。プロテクターは吸気の保湿、保温、除塵等大切な役目がありますので、ガーゼが10枚以上ある厚手の物の使用を推奨します。外出時はもちろんですが、家にいる時も就寝中でも必要です。
また、再発するのではないかと心配する人は多くいますが、再発するかもしれないとびくびくしていても仕方がありません。癌の原因の一つにストレスがあると言われていますが、ストレスのない人間などいるはずもないのです。できるだけ心を平静に保ち、予防策としては、定期健診を怠らず、食事の問題、運動量の問題でも気になる事はくよくよせずに何でも主治医に相談しながら前向きに生きる気持ちが大切です。

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